2025年12月8日の門田よしこの一般質問について、一部抜粋してお伝えします。
はじめに
今年は被爆80年の年です。グローバル・ヒバクシャのこと、ロシアのウクライナ侵攻、そしてイスラエルによるパレスチナ・ガザでのジェノサイド、深刻な人道危機が続いており、その中で、核が威嚇に使われています。
核兵器は一度使用されてしまえば、取り返しのつかない事態となる、また仮に使用されなくとも、開発や製造の過程で大きな被害をうみます。核兵器はなくすしかない、「核は人類と共存できない」のです。
日本政府の一部に非核三原則見直し検討の動きがあることについて広島市議会議員として強く抗議し、非核三原則堅持を訴えたうえで、質問を行いました。
平和行政(原爆資料館東館地下一階の「平和学習展示」)
広島平和記念資料館(原爆資料館)の東館地下1階に、おもに修学旅行生など向けの平和学習展示が検討されている件について、私としては、本当は資料館を訪れるすべての方に本館・東館の常設展示を見て頂きたいのですが、近年の大・混雑状況から「修学旅行向けの展示を別途設けることは、致し方ない」と思うに至っています。
門田 教員や保護者等引率者の意向で、本館展示をすべて見学したいという学校等があった場合、どのような対応となるのか?
国際平和推進担当局長 本館・東館の常設展示を見学したいと希望する学校等については従来どおり対応する
門田 せっかくの展示は修学旅行生だけでなく広島市の小中学校児童生徒にもしっかり見て頂きたい。今までの資料館訪問の実績と、今後どのようにふやしていくか?
教育長 2022~2024年度の3年間で資料館への訪問実績がある市立学校は、小学校129校で全体の92%、中学校41校で全体の約64%。
校長会等で周知するとともに、教員対象の研修で紹介するなどしたい。新・平和学習展示についても内容が明らかになった時点で周知し活用を促していく
この他、検討会議でも意見が出されている「ホワイエの使い方」、東館の「原爆の開発と投下」、「核廃絶へ向けて」は見て頂きたいという気持ちから「見学ルートを示してほしい」についても尋ねました。
こどもの健全な育成
こどもを性被害から守るために
今年、広島市の教職員によるわいせつ事件が発生しました。また、県から委託されているNPO法人性被害ワンストップセンターひろしまの新規相談件数はこの数年、県全体で520件前後で高止まりしています。そして、全国的にも児童生徒に対する性的な事件が報道されており大きな問題となっています。
こういった状況のもと、法律が整えられてきています。
・不同意性交等罪・不同意わいせつ罪の改正(2023年から施行)
例えば、暴行や脅迫、アルコール、薬物、障害、睡眠、フリーズ状態、虐待、立場による影響力などが原因となって、イヤと思う事、イヤということ、イヤを貫くことが難しい状況で性的な行為がなされた場合、犯罪となる。
このような状況でなくとも、13歳未満の子どもに対し、性的な行為をした場合、または13歳以上16歳未満の子どもに対して、その人より5歳以上年上の人が性的な行為をした場合、その子どもが同意しているかどうかにかかわらず、「不同意わいせつ罪」や「不同意性交等罪」が成立する。
・学校に関する法律
教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律、いわゆる「児童生徒性暴力防止法」が2022年に施行され、翌2023年に一部改正された。児童生徒を性暴力から守るための、総合的な規定。
また、学校設置者等及び民間保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律、いわゆる「こども性暴力防止法」は2026年施行予定で、日本版DBS制度を導入し、学校や保育所はもとより塾などの民間事業者など、児童と接する業務に従事する者の性犯罪前科の確認などを行うとしている。
門田 何が犯罪にあたるのか、法律に基づいた性犯罪の未然防止、早期発見、性犯罪が起こったときに学校はどのように対応しなければならないか、すべての教員が当たり前に知っているようにする必要がある。取組状況は。
教育長 校長会で説明するとともに、毎年度教育センターで行う経験年次別研修の際にも周知している。また、核学校では教員を対象とした服務研修の中で、教育委員会が作成したリーフレットを活用するなどして、毎年、性暴力防止に関する研修を実施している。
本年7月に本市教員によるわいせつ事案が発覚した際には改めて、各学校で、校長が教員一人一人に対して面談を実施するとともに、性暴力防止に関する臨時の教員研修、児童生徒へのアンケートや相談窓口の周知などを行った。
門田 教員だけでなく、こどもたちが自分自身を守るため、このような法律を知り、何が犯罪なのか、知ることはとても重要。それにより、被害を未然に防げたり、被害を最小限にできる可能性がある。法務省では法律の変更について、また、何が犯罪なのか、小中高生それぞれを対象にリーフレットを公開している。広島市として、子どもたち自身が自分を守れるよう、法律や、何が犯罪であるかを知ることができるよう、どのように取り組んでいるのか?
教育長 本市では生命の尊さをまなび、生命を大切にする考えや、自分や相手、一人一人を尊重する態度等を発達段階に応じて身につけることを目指す「いのちの安全教育」に取組んでいる。そのなかで、性暴力の根底にある誤った認識や行動、性暴力が及ぼす影響、性暴力への対応の仕方なども学習している。
令和7年10月には全市立学校に指導計画例を通知しており、児童生徒が相談できる複数の相談窓口や、議員指摘の法務省が作成した児童生徒に性犯罪の正確な法律知識を正しく伝えるリーフレットを改めて周知している。
引き続き、こどもたちが性犯罪や性暴力の被害者、加害者、傍観者にならないよう生命(いのち)の安全教育の取組の推進に努める。
付記:質問で触れた法務省の小中高生向けのリーフレットはこちらからご覧になれます。広島市ではこの学生向けリーフレットも使い、性犯罪の法律知識について周知しています。
https://www.moj.go.jp/keiji1/keiji12_00200.html
不適切保育について
市民の方から相談窓口がわかりにくい等様々ご意見を頂いたのをきっかけに質問しました。
門田 不適切保育を見かけた場合の相談窓口は?市民の方からどこに相談したらよいかわからないという声を頂いている、どのように改善周知していくのか?
こども未来局長 こども未来局幼保企画課に公立・私立の保育園等の職員による虐待や不適切保育に関する窓口を設置している。保育士資格を持つ職員が相談内容を丁寧に聞き取った上で、必要に応じて保育園等に立ち入り調査などを行い、改善が必要と判断した場合には再発防止に向けた助言や指導を行っている。
本年10月に施行された改正児童福祉法では、保育園等において虐待を受けたと思われる児童を発見した者に都道府県や市町村への通報義務が課されたことから、相談窓口についてより広く周知する必要があると考えている。
保育関係団体等を通じ周知を図るのとあわせて、広報紙「ひろしま市民と市政」や本市公式SNSなどによる市民向けの広報の実施を検討している。
門田 相談者が特定され不利益にならないよう、相談者の情報は保護されるべき。市としてどのように取り組んでいるか?
こども未来局長 不適切保育を早期に把握し適切に対応することで、被害の拡大や再発防止を図るために、相談者がためらうことなく相談窓口に通報できる環境づくりが重要。
匿名通報も可能、相談者の個人情報は保護される、通報したことで不利益な取り扱いを受けることはない旨、ホームページに掲載し、安心して相談していただくよう呼び掛けている。
そして、相談を聞き取る際には、迅速かつ適切な対応ができるよう、担当職員が相談者の思いに寄り添いつつ不適切保育と疑われる具体的内容やこどもの状況を確実に把握するようにしている。今後さらにこうした対応が確実にできるような仕組みづくりを検討していきたいと考えている。
門田 正規職員以外の非常勤の職員にも、不適切保育の研修を行うべきと考えるが、どのように行っているのか、年度途中から保育の仕事につく職員にもこどもの人権に関する理解をしてもらうことが重要、どのように行っているのか?
こども未来局長 こどもの人権や虐待に関する研修を公立・私立の保育園等の施設長など管理・監督職員を対象に年1回、非常勤の職員を含む保育士を対象に年2回実施している。また、受講者が持ち帰った研修内容をもとに、各施設の園内研修で報告したり、グループワークをおこなったりして職員間で知識を共有を図っている。
さらに、こどもの人権や人格の尊重に関することなど、保育園等で勤務するうえで基礎的な事項については、職位や経験年数に関わらず、すべての職員が同じ内容の研修を受講することが望ましいと考えている。
今後は、本市公式YouTubeで期間限定配信としている人権や虐待に関する研修の動画を通年配信とし、いつでも受講できる体制を整えていきたい。
付記:
広島市の不適切保育の相談窓口についてはこちらをご参照ください
https://www.city.hiroshima.lg.jp/living/kosodate/1021251/1046172.html
こども図書館の再整備中の機能の維持
こどもの成長は早いので、工事が2年にも及ぶのであれば、その間、こどもが本とふれあう時間が減るようなことは避けなければなりません。また、こどもに本を勧めるボランティアや学校図書館司書が、今までのようにこども図書館からのサポートを受けられるのかという懸念があります。
門田 再整備期間中、こどもの図書の中央館としての機能を維持するため、事務室をどこに置くのか、こども図書館所蔵の本を借りることができるのか、児童図書の調査研究のサポートやこどもの本の調べ物を助けるレファレンスはどこでどのように行うのか、これらについて、市はどのように考えているのか
市民局長 区図書館への児童書関連の情報提供やレファレンスサービスの支援などの機能は、こどもの本の中央館として、こども図書館のみが担っている。資料の移転等に伴いやむを得ない場合を除き、可能な限り維持するよう現在指定管理者との意見交換も行いながら検討している。
議員質問の事項を含む再整備期間中の具体的なサービスについては現時点では示せる段階ではなく、今後、十分な周知期間を確保した上で示したいと考えている。
DX推進(高齢者のデジタルデバイド対策)
広島市の目標
広島市は、第3期「世界に誇れる『まち』広島」創生総合戦略において、KPIとして「DX推進計画に掲げる代表的な取組を利用したことがある市民の割合」を指標とし、2025年の目標値は全体 46.5%、2030年の最終目標値を全体 58.0%としています。
この目標を達成するには行政側だけでなく、市民の方々にも情報を的確に使いこなして頂くことが必要です。
私の市大大学院での調査研究からわかったこと
私は広島市立大学大学院で高齢社会とICTをテーマにこの2年、調査研究を行いました。シルバー人材センターや高齢女性団体等、高齢者が主たる構成員である3団体へのアンケート調査からわかったのは、1.たとえスマートフォンを5 年以上所持していても基本的な操作や機能の理解があいまいで、不安が大きく活用が進まない高齢者が一定数存在している。2.どちらかというと身内でない人のサポートを求める傾向がある。3.身近に簡単に助けを求めたいという意向も高い、ということでした。
広島市のデジタルデバイド対策
デジタルデバイド対策について、総務省は2021 年から2025 年度まで5年間、デジタル活用に不安のある高齢者などを対象に講習会形式の「デジタル活用支援推進事業」を行っています。スマサポ号による移動型無料スマホ教室などを、国の補助を受けた事業者が行うもので、広島市も利用し、市としては開催場所のコーディネートや周知に携わったと聞いています。他都市と同様、まずは国の施策を活用するということだと思います。
神戸市の事例(広島市と神戸市は人口流出など共通の切実な課題が…)
一部の政令市では、独自で重点的にデジタル・デバイド対策を行っている例があります。神戸市です。神戸市は2024年12月で人口147万人、2011年のピーク時の約154万人から人口が減り続けています。原因として、20~34歳の転出超過や、地元就職率の低さがあるということです。人口流出をおさえて、都市の活力維持をどうやっていくかという点で、神戸市も、広島市も、切実な課題を抱えています。
その神戸市では2023 年度よりスマホの操作に不慣れな方向けに、講師の大学生等に相談できる無料のスマホ相談窓口を開始しました。神戸市内の全区で毎週、実施されています。
高齢者等を含めた全ての市民がデジタル化の恩恵を受けられる、デジタルリテラシー向上支援の取組と、高齢者と若者という世代間の助け合い促進、そして、学生の生活支援及び市内定着支援事業を兼ねていることが大きな特徴です。
(神戸市の事業の紹介と私が市民交流フェスタや地域イベントで聞いた学生さんの声を紹介)
門田からの提案(質問)と答弁
今後、広島市が定めたKPIを達成するには、スマホは持っているが使いこなせていない高齢者が簡単に助けを求められるような仕組み作りが必要だと考えます。これはまた、大学生、専門学校生等の力を借りることで、学生たち若者が地域に親しみ、地域参加へのきっかけづくりにもなりうるものです。
門田 週に1回程度、定期開催のスマホの相談窓口を各区に設置することを検討することを提案いたします。そのため、まずはひとつの区で試験的な運用の検討を始めてはいかがでしょうか?
企画総務局長 議員提案の大学生等の力を借りたスマホ相談窓口の設置について、高齢者のスマホ活用支援のほか、世代間交流を通じて若者が地域社会とつながるなどの効果が期待できる。いっぽうで、ニーズの把握や参加学生の雇用形態、機材の確保などの課題が見込まれる。まずは他都市事例の調査研究を行いたい。
第三セクターについて
12月議会の議案にもなっている、広島駅南口開発株式会社と広島地下街開発株式会社という深刻な経営難の二社の上に持ち株会社を作る計画について問いました。
経営改革プラン案には、「この度の経営改革は、悪循環を断ち、稼げる施設としてのポテンシャルを引き出し、両社の経営基盤を安定させることを目指す、とありますが…。
門田 コンサルティング会社の助けをかりるということですが、経営改革にはどの程度の期間を見込んでいるのか、その評価はどのような基準で下すのか、また、その結果次第では、新持ち株会社の経営者の経営責任を問う可能性があるのでしょうか?
企画総務局長 今回の経営改革による経営安定化までにようする期間および評価に関して、今後、3社の経営の柱となる事業計画や資金計画を作成する中で決まっていくものである。
経営責任に関しては、一般論として、企業の経営についてはその経営者が経営責任を負うのは当然。
門田(再質問) 今回の経営改革について、経営責任を問うことになった場合、新体制の中の誰に問うことになるのか?
企画総務局長 持ち株会社の体制によるもので、その体制は今後、市が主体となって検討していく。
以上、粗々ですが本日の門田佳子の一般質問の抜粋をお伝えしました。


