12月12日の広島市議会総務委員会では、先に投稿した中央図書館の外壁問題の陳情への申し添え以外に、議案外で広島市指定地域共同活動団体の指定等に関する条例(素案)について、そして平和記念資料館の混雑対策について質疑しました。
先に報道のあった「地下の若者向け新展示」についても問いました。
資料館の混雑については、市民の方々から、多くのご懸念の声を受けてのものです。
今まで様々な対応が取られてきました。最初は、長い行列の問題。
カメラを設置し、来場者が事前に行列の長さを見られるようになりました。
その後、朝夕の開館時間の延長、券売機の導入、Web予約の導入、11月にはチケット認証機の導入などが行われました。
待ち行列は(比較的)短くなり、今、現在は資料館内部の混雑が課題になっています。内部の混雑を解消するには、来館者の分散が必要です。
〇が質問、「ー>」の部分が市民局平和推進課の答弁、「…」は門田のコメントです。
〇11月のWeb予約による来館者数は?
ー>入館者数は266,542人。うち、49.6%がWeb予約により入館
…Web予約(大体の来館時間を指定する)が増加してきており、直近で半分の方がWeb予約を利用しています。
〇11月の朝夕の開館延長時間帯(完全予約制)の利用状況は?
ー>上限人数を一日当たり1,200人に設定しているが、上限人数に対する利用割合は、31.9%
…完全予約制時間帯の利用はまだ3割です。
資料館として、周知のため、ホームページ掲載、観光案内書等でのチラシ配布やメールで周知をおこなっているとのことです。
〇修学旅行生の対応:平和記念資料館の朝夕の完全予約制の時間帯に修学旅行生の来館を促すよう、観光政策部と連携し、周知やモデルコースの提案をを行ってはどうか?
ー>平和記念資料館の朝夕の完全予約制の時間帯の来館を含んだ新たなモデルコースを追加し、学校等に提案できるよう、引き続き、観光政策部としっかりと連携を図っていく
〇資料館地下に修学旅行生など若い世代に向け展示を2027年の公開を目指して整備する、という報道について。
新しい展示は、一般の来館者と修学旅行生を分けて、修学旅行生には、新しい展示だけを見学してもらうという構想なのか?(まさか、そうであってはならないという思いから念のため確認しました)
ー>違う。現在の常設展示と併せて、新しい展示をみてもらう。
この度の新しい展示は、修学旅行生など若い世代に対して、平和学習を積極的に推進していくため、こどもたちにも分かりやすい展示・学習スペースを平和記念資料館に整備し、平和学習の効果の向上を目指すものである。
具体的な内容等については、今後、有識者等で構成する展示検討委員会を設置して検討する。
〇平和記念資料館の本館は、2019年の展示リニューアルでは、計画策定から着工まで7年かけた。今回の新たな展示にも、もっとじっくりと時間をかけて検討しないのか?
ー>若い世代に対して、被爆者の体験や平和への思いをしっかりと伝えることは、本市の喫緊の課題と認識しており、この度の新しい展示整備は、できるだけ早く完成させる必要があると考えている。
この度の新しい展示は、あくまでも、平和記念資料館の常設展示を補完し、こどもを対象とした追加の展示であることから、本館リニューアルの際と比べて、短いスケジュールで整備が可能であると考えている。
…拙速とならないよう市民の方、被爆者の方のご意見をお聞きするよう要望しました。
今回の答弁でも「分かりやすい展示」という表現がありました。
言葉の指すところは、理解しなくもないのですが、私はいつもそこでひっかかってしまうのです。
今回の質疑の中で、2019年まで資料館館長をつとめられた志賀賢治氏の著書の一節を紹介しました。
「分かる」
あのとてつもない、想像を絶する体験が、そんなに簡単に分かるのでしょうか、体験のない人間に、そもそも理解は可能なのでしょうか。『広島平和記念資料館は問いかける』志賀賢治著
11月に資料館に行きました。外国の方や様々な方ですごい混雑なんだけれども、それぞれの方が、とても静かに、食い入るように、被爆者の方の遺影と遺品と説明文に見入っていました。
その様子を、修学旅行生の方が目にするだけでも、何か感じるものがあるのかもしれないと思いました。